「太陽と乙女」【読書感想】
今日読んだのは森見登美彦氏の「太陽と乙女」
コラムやエッセイ、あとがき、寄稿文などを編纂した一冊。
終盤には学生時代の日記もあり、クスリと笑える。
この本を読んで次の3点が特に面白かった。
1つ目は氏のスランプと苦悩について
仕事を抱え込みすぎてスランプを抱え、奈良に戻っていた。その際に手直しし続けていた新聞連載が「聖なる怠け者の冒険」であった。などということは夢想だにしていなかったので大層驚いた。
「スランプとはこれまで無意識にできていたことが、無意識にできなくなることである」と本文中にあるように、これまで無意識にできていた小説の書き方がわからなくなった様子である。職業作家のスランプというのは、想像するだけで恐ろしい。この無意識をトラに例えて、自分と向き合い続ける一説がありそれがとても面白かった。
私がどれだけ探しても会うことができず、途方に暮れるのだが、ある時ひょっこり出てきて小説のテーマを聞いてくるトラ。自分の内なるトラが小説を書かせてくれている、という例えもなんだか素敵でとても好き。
2つ目は氏の世界の見え方について
この本を読む中で何度も「異世界への入り口」とか「遠いところより近いところ」という話が出てくる。これが氏の世界の見え方なんだと思うと自分も少し小説家に近づけた気がしてうれしくなってしまった。少し裏の小道や、商店街、何気ない坂道が異世界への入り口であり、それは別に普段目にしてるけどなかなか通らないあそこのことなんだろう。
3つ目は氏の小説についての考え方
自分の事前の想像をどれだけ越えられるか、が小説を作るうえで重要なポイントらしい。それこそトラが何とかしてくれなければならないと氏は語る。二度と同じものは作れないと思えることが完成の条件らしい。自分でそんな経験をしたことがないので、なにかアウトプットをするときに一つの基準として使ってみたい。
ここまで書いてみて、自分が「作家森見登美彦の思考の一端を垣間見ることができてうれしさでいっぱいのミーハーなファン」だということがよくわかる。
当事者性と専門性【講義ログ】
移動時間中や家事をしている最中、できるだけ面白そうな講義を聞くことにしています。
今日はこの2016年の上野千鶴子先生による講義を聞きました。
主題
黒人、障碍者、女性など弱者の問題を考え論じる主体として、当事者が軽視されすぎているのではないか
内容
「お前たちのことをお前たち以上に知っている」という姿勢(専門知の格差)や、「部外者のほうが客観的な意見議論が出せる」という理由によって、社会的弱者(黒人、障碍者、女性)の論じるのは強者(白人、健常者、男性)であることが多い。しかしそれは強者が「画一的な弱者象」を弱者に押し付ける結果となり弱者をより苦しめることになる。むしろこう言ったもろもろの運動の結果弱者を弱者たらしめている。
意識すべきは以下の三つ
・差異を認めるという姿勢
・誰に向けた議論なのかということを認識すること
・学問の加虐性、権威性に自覚的であること
感想
上野先生といえばジェンダー論を非常に強い語気で話すイメージだけが先行しており、きちんと講義や本を拝見したことがなかったのですが、きっぱりとした物言いとわかりやすいたとえが多く非常に好感を持ちました。
聞き終わって気づいたのですが、この講義は全3回講義の3回目だったようです。
しかしこの講義単体でも十分に内容の詰まった面白い講義でした。
講義中に挙げられていた以下の書籍も気になったので読んでみたい。
神・時間術【読書感想】
読んだ本をできるだけ記事にしていこうと思います。
一冊目はこちら
初めて見たときの感想は「胡散臭いタイトルだなー」でしたが、意に反して内容はとても充実しておりました。
精神科医兼作家である著者が述べているのは大きなメッセージは以下の2つ
・自分の脳のパフォーマンスの特徴を知り、うまく活用することで効率を上げよう
・上げた効率で作った時間を仕事ではなく余暇として使おう
というもの。
すでに自らが習慣としているものも多かったが、かつてはできていたのに今できていない習慣を突き付けられて少しハッとしました。
以下挙げられていた習慣をいくつか記載します。
・すでに習慣にしており自分でも有効だと思うもの
作業には目標時間を必ず設定する
効率が下がってきたら場所を変える
スマートホンの通知を切る
運動を習慣化し、ほかのタスクより優先する
・これから習慣化したい習慣(かつてはできていたものも含め)
インプットに対してアウトプットをする(この記事がまさにそう)
マルチタスクとながら作業を区別する
通勤時間の有効活用(音声による講義など)
集中力が切れたときの対処
簡潔な文章でわかりやすい例も多かったので非常に読みやすかったです。
強烈なタイトルで目を引き、ミーハー的に手を伸ばした人に最後まで読ませる工夫を感じました。
特に村上春樹の例が多かったのが印象的。
ブログ始めました
タイトル通りブログ始めました。
自分の考えをアウトプットする場として使っていけたら、と思っています。
1つの記事に30分以上時間をかけずに気楽に続けたいです。
読書の感想、普段考えたこと、日記などなど内容は特に決めていません。
面白かったら是非コメントやレターポットください。
この記事が初投稿なので、まずは簡単な自己紹介をしようと思います。
平成元年生まれの28歳で、現在はSEとして働いています。
愛知県出身で大学進学時に上京して以来、ほとんど東京にいます(1年間中国留学)。
大学では生態学、公共政策の二つを学びました。
生態学で修士、公共政策で専門職修士をとってます。おかげで人よりもかなり長く学生をしました。
本を読むこと、体を動かすこと、人と話すことが好きです。
自分で何かアウトプットすることが苦手だなーと感じたのでブログをはじめてみました。